ズッシーミ倶楽部

ズッシーミさんたちが文京区千駄木の公認キャラになるべく奮闘する物語

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世界の終りとハードボイルドワンダーランド(下)

下巻読んでる最中です。

気に入った台詞を抜粋します。

 

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)

 

 

「君は自己を見失ってはいない。ただ記憶が巧妙に隠されているだけだ。だから君は混乱することになるんだ。しかし君は決して間違っちゃいない。たとえ記憶が失われたとしても、心はそのあるがままの方向に進んでいくものなんだ。心というものはそれ自体が行動原理を持っている。それがすなわち自己さ。自分の力を信じるんだ。そうしないと君は外部の力にひっぱられてわけのわからない場所につれていかれることになる」

 

「たぶん私がチェスに凝るのと原理的には同じようなものだろう。意味もないし、どこにも辿りつかない。しかしそんなことはどうでもいいのさ。誰も意味なんて必要としないし、どこかに辿りつきたいと思っているわけではないからね。我々はここでみんなそれぞれに純粋な穴を掘りつづけているんだ。目的のない行為、進歩のない努力、どこにも辿りつかない歩行、素晴らしいとは思わんかね。誰も傷つけかないし、誰も傷つけない。誰も追い越さないし、誰にも追い抜かれない。勝利もなく、敗北もない。」

 

「それについてはもう少しあとでしゃべろう。まず心の問題だ。君は俺にこの街には戦いも憎しみも欲望もないと言った。それはそれで立派だ。俺だって元気があれば拍手したいくらいのもんさ。しかし戦いや憎しみや欲望がないということはつまりその逆のものがないということでもある。それは喜びであり、至福であり、愛情だ。絶望があり幻滅があり哀しみがあればこそ、そこに喜びが生まれるんだ。絶望のない至福なんてものはどこにもない。それが俺の言う自然ということさ。それからもちろん愛情のことがある。君のいうその図書館の女の子のことにしてもそうだ。君はたしかに彼女を愛しているかもしれない。しかしその気持ちはどこにも辿りつかない。何故ならそれは彼女に心というものがないからだ。心のない人間はただの歩く幻にすぎない。そんなものを手に入れたことにいったいどんな意味があるっていうんだ? そんな永遠の生を君は求めているのかい? 君自身もそんな幻になりたいのか? 俺がここで死ねば君も連中の仲間入りして永遠にこの街を出ることはできなくなってしまうんだぜ」

 

下巻は世界の終りの32が特に良かった。

むちゃくちゃ好き。

主人公の影がすごく好き。

 

下手な感想を書くよりも、好きな箇所を抜粋した方がいい気もする。

でも感想を書きたい。

読み終わったら感想書きますよ。